自分を知るとは何か
「私はこういう人間だ」
失敗したとき、褒められたとき、あるいは誰かと比べて落ち込んだとき。
「やっぱり私はこういう人間だから」と思うことはありませんか?
そんな瞬間、私たちは自分自身を過去の経験から形作られたイメージで定義しています。
でも、その「私」とは一体何でしょう?仏教では、人間の心は単純なものではなく、いくつもの層から成り立っていると考えます。

阿頼耶識と真那耶識の深層
阿頼耶識は、私たちの心の奥底にある「無意識の貯蔵庫」です。
過去の経験や感情がここに蓄積されています。
そして、真那耶識は、そのデータをもとに自分自身を定義します。
善悪の判断や「自分はこうあるべき」という固定観念も、ここから生まれます。
しかし、これらはあくまで「過去」のデータ。
たとえば、幼少期に犬に吠えられて怖い思いをした人は、大人になっても犬を見ると無意識に身構えてしまうかもしれません。一方で、犬を愛する家庭で育った人は、同じ犬を見ても温かい気持ちになるでしょう。
このように、過去の経験が私たちの感じ方や行動に影響を与えています。
でも、このデータは書き換え可能です。
マインドフルネスを通じて、その変化を自ら起こすことができます。
マインドフルネスによる変容
マインドフルネスは、この過去のデータに気づくための方法です。
1.今の瞬間を丁寧に観察することで、無意識の反応に気づく
2.思考や感情に巻き込まれず、距離を取る
3.自分のパターンに気づき、新たな選択肢を見つける
この気づきと選択を積み重ねることで、過去の経験に縛られることなく、自分自身をより自由に形作っていくことができるのです。
私の体験
かつて、人から否定されることが怖くて、無理に自分を良く見せようとすることがありました。
でも、その考え方はマインドフルネスを通じて「その不安は過去の経験から生まれたもの」と気づいたとき、その思いは少しずつ和らいでいきました。フラットな目線で物事を判断することができるようになりました。
終わりに
「私は変われない」と思っているなら、それは過去のデータに縛られているだけかもしれません。
マインドフルネスを通して、あなたの心の奥深くを優しく見つめてみませんか?
まずは、静かな場所で3分間、目を閉じて自分の呼吸に意識を向けてることや、吸う息、吐く息、その感覚をただ感じるだけで大丈夫です。
心がさまよったら、優しく呼吸に戻ります。それだけでも、あなたの心の奥にある声に気づく一歩になります。
新たな可能性に気づく旅が、きっと待っています。