
最近、こんな相談を受けました。
「どうしても比べてしまう相手がいて、自信をなくしています」
その相手は、嫌いな人でも、特別好きな人でもないそうです。
ただ、自分の中で勝手にライバル視してしまう存在。
強すぎる憧れのような感情も含まれているそう。
・同じ分野で活動している
・年齢や環境が似ている
・自分が欲しい結果を出しているように見える
そんな相手ほど、無意識に比較してしまうことがあります。
頭ではわかっている。
「比較しても意味がない」
でもどうしても止められない。
その結果、
・自信が削られる
・やる気がなくなる
・日常のことがいつもより苦しくなる
こうした状態に陥ることは誰にでも起こります。
これは実は、とても自然な心の反応です。
なぜ比較してしまう?

心理学には 社会的比較理論 というものがあります。
簡単に言えば、人は自分の価値を確認するために誰かと比べる生き物ということです。
同じカテゴリに属する相手ほど比較対象になりやすいのです。
それは脳が、
「自分は安全な位置にいるか?」
「生き残れる状況か?」
と原始的な警戒反応を働かせているから。
だから比較は悪いことではなく、止めづらくて当たり前なんです。
比較が生む悪循環
とはいっても、それによって苦しさが起こってしまうこともあります。
比較には、気づかないうちに心の力を奪ってしまう流れがあります。
1.自己否定が生まれる
⇩
2.やる気が失われる
⇩
3.行動が止まる
⇩
4.状況が悪化する
⇩
5.さらに落ち込む
こうやって「できていたこと」までできなくなり、心がどんどん動きづらくなるループです。
ここから抜け出すには、考え方を変えようとするだけでは不十分です。
抜け出す鍵は「思考」ではなく「行動」

そんな時にどうすればいいかというと、
小さな行動を積み重ねる
これが、心理学的にも非常に有効で「行動活性化」という臨床でも使われる方法です。
よくある誤解は、これです。
やる気が出たら動こう → ×
動けばやる気が出る → ◎
脳は「できた」という事実に反応してドーパミンを出します。
それが活力や自信につながっていきます。
つまり、行動が先、気持ちは後からついてくるのです。
ほんの小さな行動でいい
だから、ほんの小さな行動でいいのです。
例えば、
・歯磨きした(全部でなくてもいい)
・布団を整えた
・メールを1行だけ返した
・深呼吸を3回した
一見たいしたことなく見える行動でも、脳にとってはれっきとした「達成」です。
ポイントは、できたことに気づいて、自分に言葉で認めることです。
「今日もひとつできた」と気づくことが大切です。
「できた記録」という最も簡単な方法
オススメはこれだけです。
毎日できたことを3つ書く
例:
1.朝起きられた
2.家を一歩出た
3.皿を1枚洗えた
できなかったことは書かなくて構いません。自分を責める材料を作らなくてもいいんです。
これを続けてみてください。
簡単ですが、ほんの数日でも、「自分にはできることがある」という感覚が戻ってきます。
まとめ

比較で落ち込むのは弱さではなく、もっとできるはずだという感覚がある証拠です。
だから苦しい。でもその苦しみは、前を向いている証拠でもあります。
止まったように見えても、あなたは止まっていません。
今日できた小さなひとつ。それが前進の証拠です。
もしも同じようなことで悩んでいる方はぜひ覚えておいてください。
完璧でなくていい。
一つだけでいい。今日できたことを、ちゃんと自分に認めてあげてください。
それが未来を変えていきます。
