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医療現場に寄り添うGRACE~コンパッションの実践~

先週末、大分県別府温泉で特別な時間を過ごしてきました。

大分、福岡、栃木、大阪、京都と、本当に様々な地域から8名(日によっては12名)のGRACEメンバーが集まって、2泊3日の旅を共にしました。

九重連山の三俣山を登ったり、地元の方々が通う無人温泉を巡ったり。

泉質は本当に素晴らしくて、地元の方だけが知ってるような”通”な温泉にもチャレンジしました。

集まった皆さんは、本当に個性豊かで、日々の仕事では使命感や責任感の重さを抱えながらも、上手に自分を整えている人ばかり。


その姿に、心から「たくましいな」と感じました。

GRACEとは何か

GRACEは、アメリカの医療人類学者で僧侶でもあるジョアン・ハリファックス老師によって作られた、コンパッションに根差したケアのあり方を育むトレーニングです。

日本では2015年に初めて研修会が開催され、2018年に日本GRACE研究会が創設されました。

多くの先生方に支えられながら、医療や介護の現場だけでなく、困難な状況に直面する私たちの暮らしを支えるプログラムとして広がっています。

GRACEは、死の臨床や介護を含む様々なケアの現場で、そして困難な状況に直面する今の時代において、私たちが生きていく柱となるプログラムだと確信しています。

苦しむ人たちのため、そして、そこに向き合う人たちのために広められている実践です。

私とGRACEとの出会い

GRACEに出会ったのは、2023年4月のこと。

その時の大会で、看護師でありヨガ講師でもある愛ちゃんと出会い、意気投合して「グレースヨガ部」を立ち上げました。

今では、私たちを含め54名の仲間が参加してくださっています。

看護師、医師、ヨガ講師、作業療法士や理学療法士など、本当に多様な専門職の方々が集まり、日常にGRACEを取り入れる工夫を一緒に探しています。

日常でGRACEを実践する

グレースヨガ部では、基本となる20分のプラクティスに加え、忙しい現場でも取り組める5分間のプラクティスを用意しています。


「落ち着ける」「GRACEを思い出せる」という声をたくさんいただき、夜寝る前や休憩時間、勤務の前後など、さまざまな場面で活用されているそうです。


現場でふと心を整えたいときにも、短時間で安心を取り戻せるのがこの実践の魅力です。

医療従事者の方々から学んだこと

医療の現場で働く方々と関わるなかで、GRACEがどれほど大きな支えになるかを実感しています。

ヨガや瞑想を伝える立場から見ても、このプラクティスの価値はとても大きいと感じます。

日々重い責任を担っている皆さんですが、その内側には「自分自身のケアも必要だ」という温かな理解がある。

その気づきに寄り添えることを、心からうれしく思います。

10月、沖縄での大きな一歩

来月10月12日には、沖縄大学で第8回日本GRACE研究会年次大会が開催されます。

今回のテーマは「苦しむ人と共にある対話 ― 痛みとつらさにコンパッションの光を照らす」です。

この大会では、グレースヨガ部についても発表される予定で、私たちの活動や今回の別府での旅の様子、そしてグレースヨガの実践についてグレースヨガ部のメンバーがポスター発表を行います。

ジョアン・ハリファックス老師も来日され、特別教育ワークショップを開催されます。

GRACEの輪を広げていく

今回の別府での旅を通して、あらためてGRACEコミュニティの温かさと力強さを感じました。

全国各地から集まった仲間と、日々の思いや経験を分かち合い、支え合う時間は、何ものにも代えがたい宝物です。

このような場があること、そして誰もがその輪に加われることを、たくさんの人に知ってもらえたらと願っています。

終わりに

医療現場で働く方も、ヨガや瞑想に関心のある方も、コンパッションの実践に興味を持つすべての方に、GRACEは開かれています。

もしGRACEにご興味を持たれましたら、ぜひ日本GRACE研究会のホームページをご覧ください。

そこには、より詳しい情報が掲載されています。