
最近、気持ちが落ち込みやすい。
小さなことで傷ついてしまう。
やる気が出ない。
そんな自分を見て、心の弱さを責めてしまう。
「また私、弱くなってる…」
これ、実はとても多くの人が感じています。
でも、そこで一度立ち止まってこう考えてみてほしいのです。
「弱くなったと思っている時、体が先に疲れていることがあります」
今日はそのお話をします。
心を整えていても気づかない「体の疲れ」
私は普段、瞑想やヨガをしています。
呼吸、姿勢、心の変化には敏感な方です。
自分のことなら分かっているつもりでした。
ところが先日、仙台のクリニックで血液検査を受けた時に驚くことが!
ストレスと戦うために必要なコルチゾールが通常の4分の1しかなかったのです。
瞑想もヨガもして、心を整えていたはずの私の体は――深いところで疲れ切っていた。
そしてそれに気づいていなかった!
「心は整っているのに、体は傷んでいる」
その事実を数値化された検査結果を前にして、私は改めて思ったのです。
自分の体って自力ではわからない範囲がある。
内臓のコンディションは「心」にそのまま現れる

人がストレスを受けた時、脳は副腎という小さな臓器に指令を出します。
「身体を守るホルモンを出して!」
そこで作られるのがコルチゾール(ストレス対抗ホルモン)です。
このホルモンは、
・心拍を整える
・血糖を整える
・緊張を緩める
・集中を保つ
・不安を抑える
などの働きがあり、心の安定に欠かせません。
つまり、心が落ちこんでいるように感じる時、最初に悲鳴を上げているのは体のほうかもしれないのです。
「ストレスだけが原因」とは言えません
だけど、ストレスを感じすぎている=コルチゾールが出ないではありません。
コルチゾールが低下する背景にはいくつかの原因があるとされています。
・副腎そのものの不調
・脳(視床下部や下垂体)からの指令が弱い
・ホルモンバランス全体の乱れ
・生活習慣や栄養状態の影響
・慢性的な睡眠不足
・強い病気や薬の影響
医学的にも発展途上の分野であり、決めつけは禁物です。
ではなぜ「内臓の可能性」を視野に入れる必要があるのか?
それは――
心だけを見ていると自分を責めてしまうからです。
弱く見えるのは体ががんばりすぎた証拠
例えば、次のような症状が続いていると、
□ 落ち込みやすい
□ 戻るのに時間がかかる
□ 眠りが浅い・疲れが残る
□ 何に対してもやる気が出ない
□ 人と会うことが負担
□ ちょっとしたことで不安になる
多くの人がまずこう思います。
「私はメンタルが弱い」
でも実際は、体が頑張りすぎてもう限界に近づいている状態のことがあります。
心は、体に乗って働いています。体が疲れれば、心は必ず影響を受けます。
弱っているのは「心」ではなく「内臓の防御力」
腸・副腎・肝臓。
これらはストレスと深く関係しています。
特に腸は、幸せホルモン「セロトニン」の約90%を作っている場所。
腸の状態が乱れると、気分の落ち込み・不安・イライラに直結します。
だから最近では「腸は第二の脳」と言われます。
さらに副腎が疲れるとストレスを処理できず、心の回復スピードも遅くなります。
私たちの心は思っている以上に内臓に支えられているのです。
自己否定ではなく「体に許可を出す」方向へ

ここで視点を変えてみます。
「心が弱いからじゃない。体が休みたいと言っている」
そう思えるだけで
・自責が減る
・休むことに許可が出せる
・回復が早まる
心は、体の上に成り立っています。体が整えば、心も整っていきます。
だから、弱っている自分を見ても責める必要はまったくありません。
むしろ、よくここまで頑張ってくれた、と体に言ってあげてください。
いますぐできる「内臓を休ませる習慣」
今日から1つでいいので試してください。
① 寝る90分前の「胃を休ませる」
→ 冷たいもの/砂糖/油を控える
→ 温かい消化の良い飲み物にする
② 「吐く息」を長くする呼吸
→ 副交感神経が働き、副腎の負担が減る
③ 朝、太陽を浴びる
→ ホルモンリズムが整う
④ タスクを一度に抱えない
→ 副腎の緊張が少なくなる
⑤ できたことを3つ記録する
→ 自己評価の回復スピードUP
小さな変化ほど大きな回復への一歩です。
医療機関に相談すべきタイミング
次のような場合は必ず専門医に相談するといいかもしれません。
・極端な疲労や体重減少
・立ちくらみがひどい
・食欲不振が続く
・生活に支障が出ている
血液検査は体の見えない部分を知る強い味方です。
「体の声を聞く」という選択もちゃんとあります。
私たちは弱くない

もし今、
・前より脆くなった気がする
・感情がコントロールできない
・すぐ苦しくなる
と感じているとしても。それは心が弱いからではありません。体がずっと守ってくれていた証。
よくここまで頑張ってきました。その体を、少し休ませるだけでいい。
今日、少しでも呼吸ができたら。
温かいお茶を飲めたら。
朝、起きられたら。
それで十分です。
体が整えば、心はまた立ち上がれます。
私たちは弱くなんてない。ちゃんと、回復できます。
