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「ヨーガとは何か」を歴史的に考察する〜2:言葉の歴史編〜

ヨーガとは、ヒンドゥー教でうまれた修行法である。
だから、ヒンドゥー教の聖典にヨーガという言葉があるのだ。聖典とは、ヴェーダのことだ。ここでは割愛するが、下記に記されたウパニシャッドもヴェーダである。
ここからは、伊藤武先生の情報をもとに、ヨーガという言葉の歴史を古いものから並べた。

ヴェーダに記載されている関連する言葉

現在の研究では、ヨーガという言葉が現存するもっとも古い書物はヴェーダといわれている。しかし、そこでつかわれているヨーガという言葉の意味は、時代により異なるようだ。

『ヨーガの語根といわれるユジュやヨーガという言葉がみつかる』

B.C.12 リグ・ヴェーダにヨーガや、ヨーガの語根である「ユジュ」という言葉がみつかる。この時代のこの言葉の内容は、行法としてのヨーガをさしていない

『ヨーガ・アートマーという複合語がみつかる』

B.C 5:タイッティリーヤ・ウパニシャッドにヨーガ・アートマーという複合語がみつかる。しかし、ここで使用されているヨーガの意味は不明

『修行としての意味をなすヨーガの最古の説明が見つかる』

B.C4:カタウパニシャッドに見つかる。モークシャにいたる修行法にヨーガという名前がつけられたのはこの時くらいではなかろうか・・・  

『モークシャにいたる道としてのヨーガという言葉が定着』

A.C4頃:六派哲学のスートラにおいてヨーガという言葉が明確につかわれる

これだけみてもヨーガという言葉の定着や意味づけには、およそ800年かかったと考えられる。ヨーガという名称がなかっただけで、その行為は随分と長い昔から存在していたのだ。

現在のヨーガと伝統的なヨーガの言葉の概念

現在では、ヨーガという言葉は多様につかわれるが、伝統的なヨーガにおいては言葉の歴史背景で考えるとヒンドゥー教の修行とう概念をさす言葉として考えて良いだろう。
「ヨーガは宗教ではない」と言われるが、嘘である。伝統的なヨーガは完全に宗教概念の上に成り立つのだす。現代のヨーガは、ヒンドゥー教ではない者がヒンドゥー教の修行体系の一部を行い、それをヨーガというのが一般的だ。そのヨーガを宗教ではないと言うのが間違えていないが、元々宗教ではないという否定は、おかしなことなのだ。それにヨーガは土台に宗教があるからこそ、奥深いのだ。

さて、つぎは全体的な歴史背景から「ヨーガとは何か?」を考察する。そこでは、宗教概念のヨーガが現代ヨーガに変わってきた流れもともにみていくことにしよう。そうしよう。

全体の目次

「ヨーガとは何か」を歴史的に考察する 〜1:はじまりと結論〜
「ヨーガとは何か」を歴史的に考察する 〜2:言葉の歴史編〜(本ブログ)
「ヨーガとは何か」を歴史的に考察する 〜3:全体の歴史編〜

この内容は200時間のアライアンスのトレーニングでも公開している。その時は、どのような分野のヨーガが発展してきたのかということも同時に観察していくことにしている。完璧とはいかないが、おおよそインド本家が作ってきたヨーガを少しでも知ろうとすることとそれを伝えることが、私にとって敬意表明の一つなのです。私はヒンドゥー教徒ではないし、そうなりたいとも思っていないけれどやっぱりヨーガのもつ全体像が好きなのです。

 ॐ